専門学校教育研究会について

研究会の歩み

現在、ユニバーサル段階にある日本の高等教育では、学生の社会的・職業的自立に必要となる能力を養成するため、キャリア教育・職業教育の充実が課題となっています。しかしながら、キャリア教育・職業教育の実施における重要な学校種のひとつである専門学校においては、その多様性と柔軟性とも関わって、その特性についての実証的な把握が十分になされておらず、情報の公開や共有も進んでいません。専門学校の30年にわたる発展にもかかわらず十分な社会的な評価が確立していると言いがたい点もそれらと関係していると思われます。そこで、九州大学教育組織社会学研究室では、特にそのキャリア教育・職業教育に焦点をあてながら、専門学校の実態を実証的に調査研究し、広く関係者とともに学術的な分析・検討をすることを目的として、本研究会をはじめました。

本研究会では、2008年度から2010年度まで、各年度全国専修学校各種学校総連合会・全国学校法人立専門学校協会からの委託をうけて政策科学的かつ実証的な調査研究に取り組んでいます。2008年度には全国の学校法人立専門学校へのアンケート調査・分析を実施し、2009年5月に報告書 としてまとめました。2009年度は、専門学校の各分野から教育方法に関するケーススタディを行うとともに、文部科学省生涯学習政策局専修学校教育振興室の「専門学校卒業生調査」ヘの企画・実施にかかる協力等を行なっています。さらに、学術関係者へのアプローチとして、日本産業教育学会で2009年度から新設された専修学校部会における研究企画・実施にかかる協力も行っています。

これまでの受託研究

(1)「専門学校の職業教育に関する総合的調査」
　　研究期間 ： 2008年9月1日～2009年3月31日

(2)「専門学校における教育方法に関するケーススタディ」
　　研究期間 ： 2009年9月1日～2010年3月31日

(3)「専門学校における教員及び卒業生の進路・キャリア形成に関するケーススタディ」
　　研究期間 ： 2010年9月1日～2011年3月31日