概要

概要

 グローバル化が著しい現代において、海外進出企業などの現地法人トップ人材から、国内でグローバル事業の展開を行う中小企業などの人材まで、中核的専門人材の一層のグローバル化が求められています。
 九州大学ではグローバル社会のニーズに応じた中核的専門人材の養成を課題とし、以下の4つについて検討します。

目的

1. グローバル社会におけるニーズに対応した学位資格枠組みを国際的に比較します。
 グローバルな人材ニーズとそこで必要な学位資格枠組みについて、海外の事例を調査することで検討します。
 また同時に、グローバル化・国際通用性を見据え、その学位資格枠組みに対応した教育プログラムに関しても明らかにします。
2. グローバル化する社会でこれからの産業の中核を担う人材について、企業のニーズを明らかにします。
 企業はこれから人に対し、どのような能力や素質を求めているのでしょうか。そして、人材養成の場として、どのようなプログラムが高等教育に求められているのでしょうか。
めまぐるしく変化する現代における人材ニーズを把握するため、企業人材調査を実施し、産学でグローバル人材の検討を実施します。
3. 「経営・ビジネス」「食と栄養・調理」「介護・福祉」「観光」分野に焦点を当て、資格枠組みの検討と教育プログラム開発を行います。
 今後成長が見込まれる4つの職域を対象に、これから求められる教育プログラムを開発し、実証講座の実施を踏まえて検討します。
 また、各職域におけるグローバル専門人材の養成や送り出し、受け入れに焦点を当てることで、それら各職域における学位資格枠組みについても検討を行います。
4. 日本国内の中核的人材養成事業の取組みや成果を共有しながら、教育・労働市場へ浸透可能な教育モデル策定について分野横断的に検討します。
 九州大学では平成25年度から継続して、文部科学省委託「成長分野等における中核的人材養成等の戦略的推進」事業に取り組んで参りました。
3年目に当たる本年度は、新たな課題として、分野別において中核的専門人材養成事業に取り組む他機関の成果や課題を明らかにしながら、国内外のグローバルな場で活躍できる人材養成と教育のプログラムモデルを抽出していきます。
今後の日本の教育と人材養成のプログラムをどのように国際的に通用性あるものにしていくのか、また内外の学習者の国際的な教育・労働市場への浸透可能性を担保していくのか、そのための制度モデルを開発することが目的です。
目的

実施体制

海外国家学位・資格枠組み調査分科会

 グローバル化に対応可能な人材の養成として、とくに中核的専門人材の一層のグローバル化が求められています。今年度は主に東アジア諸国における学位・資格枠組みの位置づけ方、質保証のあり方を調査し、グローバル人材ニーズに適った学位・資格枠組みとしての知識・技能・コンピテンシーについて検討しました。

 また、学位・資格枠組みについての理解を深めるために、海外研究機関から

・職業教育訓練研究センター(BIBB) ・国際部長 Isabelle Le Mouillour氏(ドイツ)
・韓国職業教育訓練研究センター(KRIVET) ・上席研究員 Don Im Lee氏(韓国)
・バイトマン&ジャイルズ・職業教育訓練アドバイザー Andrea Bateman氏(オーストラリア)
を招聘し、国際セミナーや研究会を通じて学位資格枠組み・地域参照枠組みを検討しました。

訪問調査先

韓国韓国

 日本以上の学歴偏重社会といわれる中、近年政府主導による学位・資格枠組みの開発が注目を集めています。
 アジア地域の職業教育の国際的コーディネート役も担う韓国について、日本およびアジア地域の職業教育の特徴と課題について意見交換を行いました。

中国中国

 近年学修成果に重点を置いた国家学位・資格枠組みの導入を表明し、今まさに制度開発が進められている中国。
 日本への人材の流入出や多用な教育交流が進む中国の教育政策について、国家華東師範大学・比較研究所や教育部職業技術教育センター研究所、教育部教育開発センターを訪問調査しました。

インドインド

 英連邦諸国の一員として、近年迅速に国家学位・資格枠組み(NQF)を導入しているインドは、とりわけ技能審議会モデルを全国的に有効に展開させているという点で注目に値します。
 今年度はその開発モデルを調査するべく、インドEU技能開発プロジェクト事務局やインド産業総連合会を訪問しました。

インドネシアインドネシア

 インドネシア は2012年から国家学位・資格枠組み(IQF)の開発を始めており、現在学修成果に関する説明子(descripter)の整備を行っている段階です。
 特に今回の調査においては、職業現場でのコンピテンシーの応用を意識した説明子(descriptor)の整備が進んでいるという事実、が学術的アプローチを行う大学セクターへ大きなインパクトを及ぼしつつあることが関係者のインタビューからも明らかになりました。

マレーシアマレーシア

 マレーシアは、旧宗主国の英国の制度改革の影響を大きく受けているため、東南アジア地域の中でも学位・資格枠組の構築ならびに運用が最も進んでいる国といえます。
 今回は南アジア高等教育サミット(SHEAES)に参加したほか、マレーシア資格機構やドイツ・マレーシア技術学院、人材資源省技術開発局を訪問し、教育機関における学位・資格枠組みの先進的な事例を調査しました。

フィリピンフィリピン

 ASEAN諸国で最初に国家資格枠組み制度を導入した国家・フィリピン。すべての認定資格が統一的な国家システムのもと管理されていることに加えて、学位課程と職業教育課程を統合した教育システムを有した国でもあります。
 実際に制定されているトレーニングパッケージとその運用について調査したほか、国家学位資格枠組みの構築や職業教育訓練の導入のための調査を行いました。

人材ニーズ調査分科会

 企業や業界の中核を担う人材に対し、企業はいかなるニーズをもち、また高等教育(第三段階教育)にどんな取組みを期待しているか。
そうした企業のニーズを明らかにすべく、長崎、福岡に続き鹿児島県に焦点を当ててアンケート調査を実施しました。
★調査対象と規模:鹿児島県商工会議所の会員企業220社から回収(回取率:22.0%)
★調査手法:紙媒体、Webによるアンケート調査

国内国家学位・資格枠組み浸透性分科会

 グローバル化する社会の状況の中で、それぞれの分野におけるこれからの人材育成のあり方を考えるにあたり、分野の壁を超えたカリキュラムや資格枠組み、質保証制度を構築することが鍵となります。
 本年度は、他分野における文部科学省委託事業の取組みを調査することで、分野横断型の中核的専門人材について検討しました。
また、先だって実施されている内閣府の取組「キャリア段位制度」に関しても、実施機関へ聞き取り調査を行いました。

聞き取り調査対象校

学校法人小山学園・東京テクニカルカレッジ
学校法人九州総合学院・九州工科自動車専門学校
学校法人福田学園・大阪保険医療大学
学校法人三幸学園・東京こども専門学校
国際学院埼玉短期大学
国際ファッション産学推進機構
学校法人メイ・ウシヤマ学園・ハリウッド大学院大学
学校法人片柳学園・日本工学院専門学校
学校法人服部学園・御茶ノ水美術専門学校
学校法人浦山学園・富山情報ビジネス専門学校
全国専門学校情報教育協会
学校法人中央情報学園・早稲田文理専門学校
学校法人秋葉学園・千葉情報経理専門学校
学校法人大岡学園・大岡学園高等専修学校

内閣府キャリア段位制度聞き取り調査対象機関

一般社団法人産業環境管理協会、厚労省老健局振興課

関連プロジェクト