グローバル人材養成に向けてのリカレントなモジュール学習プロジェクト

平成27年度「成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進」事業

高等教育と学位・資格研究会

研究会セミナー・実施内容

① 会議(目的、体制、開催回数等)

 事業計画としては、コンソーシアムの全体協議会を年3回の開催し、年度中間で、傘下の6職域プロジェクトも含め、海外職業教育の指導的機関や指導的研究者から参加者を招聘し「国際セミナー」を開催する。また、コンソーシアム内に委託事業内容を全体として運営していく「企画運営委員会」と、2つの専門分科会を置き、それぞれの研究展開に応じながら各年3回の分科会研究会を予定している。
 「分野横断的浸透性開発分科会」においては、他の専門分野別コンソーシアム等の委託事業において提案されたモデルの中にある「グローバル専門人材育成のコンピテンシーの必須要素と選択的要素」を実践的に把握・開発し、さらに双方向性を持ち統合的な人材育成プログラムとして開発するする職域プロジェクトとの密な連携をとる。
 また、国際的な職業資格制度や高等教育資格制度、またそれらの統合的な資格枠組みを比較検討する職域プロジェクトと連携して、全体的協議のための検討を行う「質保証の枠組み検討分科会」を運営する。各種会合において、コンソーシアムと6つの職域別プロジェクトとの相乗的な効果を発揮できるよう、調整を行う。

② 調査等(目的、対象、規模、手法、実施方法等)

 平成23・24年度からスタートする他の専門分野別コンソーシアム代表機関・参加機関等に対するアンケート調査、訪問実態調査、コンソーシアム関係者による報告と協議、特に、各コンソーシアムの提案モデルを、国際的な職業資格制度や職業教育・高等教育資格枠組みと比較して分析、年度末の公開研究セミナーの開催、3つの職域別プロジェクトとの調整を行う。
1) 成長分野17分野のコンソーシアム・職域プロジェクトの関係教育機関すべてを対象として、当該の分野における中核的専門人材を含むすべてのレベルの人材養成におけるグローバル化に対応する能力要素の抽出、能力要素の涵養にむけての教育・訓練の方法、学修時間などに関するアンケート調査を実施・分析する。
2) 先行コンソーシアム・職域プロジェクトの関係者の訪問調査、インタビューを行い、グローバルモジュールの考え方についての意見の範囲の広さと共通要素を抽出する。
3)コンソーシアム・職域プロジェクトにおける九州各地域の産業界および行政に対して、グローバル課題と対応するコンピテンシー要素についてインタビュー調査を行い、モデルカリキュラム基準についても調査を行う。
4)本コンソーシアム・職域プロジェクトが焦点をあてる地域として、福岡・佐賀大都市圏、佐世保・諫早・島原地域圏、宮崎都市圏、鹿児島都市圏における産業界・行政等のグローバル展開の実態、焦点をあてる専門分野における人材マップについてインタビュー調査を実施し、分科会においてそれらの結果を協議する。

③ モデルカリキュラム基準、達成度評価、教材等作成(目的、規模、実施体制等)

 グローバル専門人材委託事業で共通に適用していくことを目的として、カリキュラム基準、達成度評価の基準、教材等の開発ガイドラインを各部会において協議し、それらを全体協議会で調整して決定する。
 研究開始段階での基本的なモデルとしては、OECDの2000年から実施の資格枠組みプロジェクト等(詳細については吉本編(2010)など)でも強調された4つの観点である。すなわち、評価の平等性(Parity of Esteem)、プログラム相互の連続性・浸透性などの関係性(Permeabilityとarticulation)、プログラム外でのインフォーマル・ノンフォーマル学習を含めた学習成果を適切に位置づけることで学習者のリカレントな学習とその発展可能性を奨励する方法論(Accreditation of Prior Learningとpathways)、これらの体系性を確立するための連携の枠組み(Partnership)である。

④ 実証等(目的、対象、規模、時期、手法、実施方法等)

 コンソーシアムとしては、教育プログラムについての特別の実証講座・実験等は行わないが、平成24年度までの先行専門分野における各プロジェクトの実証講座・実験等で得られた成果について、事業開始期において本コンソーシアム・職域プロジェクトの基盤地域における地元産業界・行政等の関係者を対象として、期待する人材育成の方向からみて意味ある成果であるのかどうかをフォーカス・グループ・インタビューの形式で検討する。
 また、職域プロジェクトによるフォーカス・グループ・インタビューを行い、その特色について本基盤地域における適用可能性についての評価をする。これらも、全体協議会の初期段階での重要な検討の目標となる。